もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

2015-01-01から1年間の記事一覧

打算的女性

――市街を一望できる夜景の美しい高台。付き合って間もないロマンチストと女性のカップル。<ロマンチスト> ごらん、これが、100万ドルの夜景さ。でも、きみのほうが素敵だよ<女性> すてき――そこにお金持ちが登場。<お金持ち> ごらん、これが、ぼくの資…

Bloggerから移転

このブログについて このブログは、僕が思ったことや考えたことを書き綴ってゆくノートです。テーマはおもにピアノ、音楽、本、ゲーム、日常の言葉、いろいろなことに対する私感などです。 このブログは、ある話題についてたしかな知識を記すものではありま…

日本の最も美しい図書館

個性あふれる41の図書館。そのどれもがデザインや機能という点で固有の美しさを持っています。未来的な建物や歴史な趣のある建物、あるいは図書館の在り方そのものを問い直すようなまったく新しい図書館。こんな図書館を無料で使ってよいのかと思うほどです…

「ピアノ・ノート」

チャールズ・ローゼン「ピアノ・ノート」 世界的なピアニストが、ピアノという楽器と演奏という行為について自論を語る。いわば、ピアニストの奥義を垣間見ることのできるエッセイだと思います。ピアノを弾くとはどういうことなのか。ピアニストはあまりに弾…

「最暗黒の東京」

08/31 : 松原岩五郎「最暗黒の東京」 筆者は最下層の人びとに混ざって一年以上生活を送り、その様子を描いています。最暗黒の世界に暮らす人びとは何を考え、どのように生きているのか。暗黒界に暮らす人びとの劣悪な生活環境、彼らの創意工夫、生活を懸けて…

打ち込み日記 - ショパン 「練習曲 ハ長調」 作品10-7

ショパンの「練習曲 ハ長調」(作品10-7)を打ち込んでみました。『12の練習曲』(作品10)の第7番です。短いながらも延々と続く右手の壮絶な連打は、一見しただけで練習曲に相応しい難易度をそなえていると感じさせます。(実際の技術的なレベルは分かりま…

打ち込み日記 - ショパン 「夜想曲 ロ長調」 作品62-1

ショパンの「夜想曲 ロ長調(作品62-1)」を打ち込んでみました。旋律の美しさも魅力的なのですが、なによりアンサンブルのような印象を受ける作品です。 全体的に、左手の声部も強調してみたのがちょっとした試みです。とくに主題がトリルで奏される部分は…

ゲーム記「奇妙な食堂からの脱出2」

HOTTATEGOYA GAMESさんの「奇妙な食堂からの脱出2」を脱出しました。 仕掛け自体は少ないので手軽に挑めますし、どれも発想できればすぐに分かる面白い仕掛けでした。スッキリしました。http://dghg.bake-neko.net/strange_dining_room_2_jp.htmlメモ(プレ…

ゲーム記「room8 カナリア」

いーちま珈琲堂さんの「room8 カナリア」を脱出しました。海の香り漂うお部屋から脱出します。程よい難易度で、楽しんで脱出できました。http://ichima.chagasi.com/room8.htmlメモ(プレイ中に記録したメモです)8105979360684325GYPYPGrrlrrlrl31244212341

ゲーム記「リゼットの処方箋」

LizArtsさんの「リゼットの処方箋」をクリアしました。”眠り病”の専門医の少女リゼットが、旅の途中でみつけた”眠り病”の少年アシルを助けるべく、アシルの精神世界(記憶)のなかを進んでゆく物語です。オープニングのアニメーションが素敵です。この物語の…

「仰臥漫録」

07/22 : 正岡子規「仰臥漫録」 柩の前にて通夜すること無用に候通夜するとも代わりあいていたすべく候柩の前にて空涙は無用に候談笑平生の如くあるべく候(p. 119) 結核をわずらった正岡子規が、その病床でつづったごく私的な手記です。最初は岩波文庫版をみ…

打ち込み日記 - ショパン 幻想即興曲 作品66

ショパンの「幻想即興曲」を打ち込んでみました。中間部はこれくらいの速さでもよいような気がしています。

「ピエール・リヴィエール」

07/02 : ミシェル・フーコー編著「ピエール・リヴィエール――殺人・狂気・エクリチュール」 この本の題材となる事件は1835年6月3日にさかのぼります。フランスのオーネーという田舎町で、ピエール・リヴィエールはナタを使って母・妹・弟を次々と殺害しました…

「音楽用語のイタリア語」

06/10 : 森田 学「音楽用語のイタリア語」 音楽用語では、表面的な意味だけでは違いがよくわからない単語がたくさんあります。たとえば、accelerandoとstringendo(徐々に速く)、ritardandoとrallentandoとritenuto(徐々に遅く)、rinforzandoとsforzando…

打ち込み日記 - ショパン 「4つのマズルカ」第3番 ホ長調 作品6-3

ショパンの「4つのマズルカ (Op. 6)」から第3番ホ長調を打ち込みました。 マズルカはポーランドの舞曲の一種ですが、この曲はとくに舞曲的な印象を受けます。冒頭部分のリズムに載せて「踊りが始まるぞ」という期待感、そして付点のついた力強い踊りがこの曲…

「わが百味真髄」

06/09 : 檀一雄「わが百味真髄」 長ずるに及んで、私の放浪癖は、私の、自分で喰べるものは自分でつくる流儀の生活をいっそう助長したし、また反対に、私の、自分で喰べるものは自分でつくる流儀の生活が、私の放浪癖を尚更に助長した。 (pp. 10-11) 春夏秋…

「検定絶対不合格教科書 古文」

05/12 : 田中貴子「検定絶対不合格教科書 古文」 指導要領に端を発する既存の教科書の在り方に異議を唱えるべく書かれたのが、この検定「不合格」教科書です。 作品そのものの面白さを歪める検定に疑義を呈し、(創られた)伝統や自国の文化として提示される…

「オペレッタ」

05/01 : ジャック・ルシューズ「オペレッタ」 このようなわけで、オペレッタは、不ぞろいな魅力や、不意に何かがおこることの面白さや、陰にかくれて会っているかわいい女性の見せる甘美な優美さを、これまで保ち続けてきたし、これからも保ち続けることだろ…

「話がこじれたときの会話術」

04/21 : J. ウィンズレイド, G. モンク「話がこじれたときの会話術」 ナラティヴの実践原理として、対立の物語には常に複数の物語があるという想定を持って取り組むとよい。当然、双方の(または2グループ以上の)当事者たちは常に、起こったことについて異…

「卵のようにかろやかに」

04/23 : サティ「卵のようにかろやかに」 私は批評家がいるとそれだけで目がくらみます。あまりの輝かしさに、一時間あまりも目を細めていなければなりません。私は彼のスリッパに口づけします。私は彼の言葉を脚つきの大きなグラスでうやうやしく飲み干しま…

打ち込み日記 - ショパン 「夜想曲」 嬰ハ短調 作品27-1

ショパンの「2つの夜想曲 (Op. 27)」から第1番嬰ハ短調を打ち込みました。幅の広い左手の空虚な左手のうえで歌う二重唱、焦燥しているかのような中間部分、苦悩から解放されるようなコーダ。悲痛でありながら、全体的にはとてもはっきりした構成で全体像をと…

「犯罪者の自伝を読む」

03/26 : 小倉孝誠「犯罪者の自伝を読む」 普通に人生を過ごしていたならば、みずからの生涯を書き綴るという自伝行為とは無縁であったはずの彼らは、社会の法と秩序に背いた結果として、言葉に遭遇した。監獄という孤立と、監視と、沈黙の空間に置かれた時、…

「パイの歴史物語」

03/12 : ジャネット・クラークソン「パイの歴史物語」 クリスマスのミンスパイや感謝祭のパンプキン・パイは、栄養に富むおいしい食べものから強力なシンボルへと進化して生きのびた。しかしごくふつうの、毎日過程で手作りされていたパイは、時代の変化の波…

打ち込み日記 - ショパン 「12の練習曲第1番」 変イ長調(エオリアンハープ) 作品25-1

ショパンの「12の練習曲 (Op. 25)」から「エオリアンハープ」の通称で知られる変イ長調の第1番を打ち込みました。和音のなかから高音部の旋律が浮かび上がります。優しい旋律を活かすためには、それを包むハーモニーはそれ以上に優しくなければいけません。…

「鴎外の子供たち」「鴎外の三男坊」「森家の人びと」

「鴎外の子供たち」 森鴎外の三男、森類さんに関する本を何冊か読んでみました。一冊目は森類さんご自身による『鴎外の子供たち』。 まっ黒に焼いた木柵が広大な林を二分して、中央にある一間はばの道路が林の頂に達している。足もとの砂が急に深くなった。…

「ふるさと隅田川」「一九八四年」

02/20 : 幸田文「ふるさと隅田川」 いヽ土地に住む人たちより、そこに住む女たちはずつと明らかに、それぞれの性格なり力なりを発揮してゐた。私には、女房たちは亭主たちを飾つてゐるといつた観があつた。それに較べると、いヽ土地の奥様がたは亭主に飾られ…

打ち込み日記 - ショパン ポロネーズ変イ長調 作品53 "英雄" (3)

英雄ポロネーズ (0) の試作版から、間違いを修正した最初の公開版(2の公開にともない音楽データは削除)、表現を改めた英雄ポロネーズ (2) に続いて3回目の公開です。変更点はいろいろありますが、一番の変更点は主部で3拍目を強調したことです。リズム感が…

「東大教師が新入生にすすめる本」

01/31 : 文藝春秋「東大教師が新入生にすすめる本」 東京大学出版会の月刊広報誌 "UP" の同名のコーナーから、1994年から2003年分を採録したという本です。そのコンセプトは書名のとおり、難関をくぐりぬけ入学を果たしたばかりの気鋭の新入生たちに、研究者…

「不運な女」

01/31 : リチャード・ブローティガン「不運な女」 さてと、わたしはいまこの本を書きおえようとしていることに気づく。これは根本的にはわたしが知っていることすべてについての本だ。それは見るにしのびないほどあからさまである。作家どもは悪名高い嘘つき…

「100語でわかるガストロノミ」

01/01 : アラン・ボウエー、ローラン・プランティエ「100語でわかるガストロノミ」 人は、毎日食べなければならない。そして、料理をすることは、その食べる時間を素朴な幸せの瞬間にすることである。私は、料理を熱烈に愛する。食材を吟味し、調理し、決し…