もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

読書

「眠っているとき、脳では凄いことが起きている」

面白かったので思い出しながら羅列してみる。睡眠(とくにレム睡眠)時の脳活動、そしてその産物でもある夢。これは人間にとってどんな意味があるんだろう? 結局よく分からない部分もあるのだけど、分かってきた部分もあるらしい。以前テレビで見て知ったか…

「フランダースの犬」を読みました

フランダースの犬を読んだら、けっこう印象が変わった。アニメ版で、ネロがパトラッシュとともに安らかに息を引き取る場面はあまりにも有名だ。だけれど、わたしはそこしか知らなかった。物語についても、漠然と「善良な少年が村の人々からいじめられて死ん…

「イワン・イリッチの死」

「イワン・イリッチの死」を読んだ。やはり有名な本だけあって、読後「あぁ~~」となった(語彙力)。 イワン・イリッチは社会的に見ればかなり成功していた人物といえる。官吏としての役割をまっとうしながら、快適な人生を作り上げてゆく。ところが、突然…

首をはねろ!

この本を図書館で見つけてピンときました。まず「首をはねろ!」という衝撃的なタイトルで驚き、メルヘンと暴力という意外な副題に興味をそそられました。そうして読んでみると、メルヘンの暴力からいつになっても変わることのない人間のさがを解き明かして…

必笑小咄のテクニック

小咄の分析に隠された社会への警鐘――笑えるのにハッとさせられる本 米原万里さんの書評を読むと、こういう読み方がしたいなと思わずにはいられません。小説から政治的なノンフィクションまで、ジャンルを問わずこんなに本を楽しんでいる人がおられたとは。楽…

読書嫌いに薦めたい本

読書嫌い プレゼントしたい本――わたしと同じ読書嫌いの人にプレゼントするとしたらどんな本だろうか、と考えたことがある。「わたしと同じ読書嫌い」というのは、「趣味は読書です」と言われたときに、どこかで劣等感というか嫉妬心というか、後ろめたいもの…

「厭書家(えんしょか)」

「厭書家(えんしょか)」という言葉を目にして、「おっ、仲間か」と勝手に思ったのだけど、まったく違った。この「厭書家」というのは、本を愛しているからこそ、すべての本を読むことのできない自分の非力さを嘆いて言っているらしい。だから本棚にある「…

墓場のような図書館

どうも近所の図書館が勉強をする人ばかりで面白くない。勉強が悪いというのではなくて、空間として面白くない。これでは図書館を訪れる子どもたちも、本に対して嫌なイメージを抱いてしまうのではなかろうか、と思います。新しい図書館をつくるなら、その点…

必笑小咄のテクニック

ネガティブな感情をやめよう、ポジティブになろう、なんて、決してできないと思う。ネガティブな感情だってわたしの一部なのだ。だから、ネガティブな感情と上手く付き合うことは、生活する上でとても大切なことだとわたしは思う。 その方法の一つとして、わ…

パウゼヴァング『片手の郵便配達人』

グードルン・パウゼヴァングの『片手の郵便配達人』を読んでみた。 第二次世界大戦の終戦近い1944年8月から物語は始まる。かつて生粋の愛国少年だったヨハンは戦地で左手を失い、17歳になった今は故郷のヴォルフェンタン地方で郵便配達人として村々を巡り歩…

パーネ・アモーレ

田丸公美子さんの『パーネ・アモーレ』を読んでみた。きっかけはおそらく少なからぬ人たちと同じ、米原万里さんの『打ちのめされるようなすごい本』でこの本が取り上げられていたからだ。その紹介によれば、この本の筆者はほかに並ぶ人のいないイタリア語通…

アンダーソン『脳波』

もしもすべての人間の頭がよくなったら、世界はどうなるんだろう、と漠然と考えたりする。戦争の非効率に気がつく? あるいは、戦争の裏でソロバンをはじく? 楽観的、悲観的な未来像のどちらを思い描くこともできる。 アンダーソン*1の『脳波』は、まさにそ…

本を読み書評を書くこと

アドラーとドーレンの『本を読む本』を読んだので、感想も兼ねて「本を読み書評を書くこと」について考えてみたいと思う。 本を読む本 なぜ本を読むのか。先日もちょっと書いたけれど、読書家ではないにしても本を読む人なら避けては通れない問題だと思う。…

僕の好きな本 (2)

その1から続き。 文章が好き 第三に、文章が好きであることだ。さらに言えば書き手その人が好きだということ。これは自分が楽しいと思うかどうかということに尽きる。小説を好む人に一番多そうな理由なのだけど、自分の場合にはエッセイに一番多い。そもそも…

僕の好きな本 (1)

良書という言葉があるけれど、良い書とはなんだろうかと思った。そこで、自分にとって良い本とはなにかということについて、本を簡単に取り上げながら書いてみようと思う。それは「読書かくあるべし」というような話ではまったくない。むしろそういう模範的…

門松秀樹『明治維新と幕臣』

中公新書の『明治維新と幕臣』を読みました。間違いもあるかもしれませんが、もの知らずの感想文(書評ではない)ということでご容赦ください。 幕府と明治政府の連続性 「明治維新によって幕府は滅びた」と習った記憶が僕にはあるのですが、他方で「じゃあ…

渋沢栄一『雨夜譚』

渋沢栄一の『雨夜譚』を読みました。渋沢栄一といえば、日本銀行、第一国立銀行の創立に深く関わり、その他金融、保険、交通・通信、紡績といった分野で500近い会社の設立に関わったといわれています。その実業家としての一面も興味深いのですが、本書で語ら…

紋切型辞典

誰もが言うような言い回しをまとめると、とっても陳腐でおまぬけ。けれど、みんな言うんだから「けしからん本だ!」ということもできない。そんなところを楽しむ本かなと思います。以下、気になったところを記録しておきます。 アカデミー・フランセーズ [Ac…

黒木奈々『未来のことは未来の私にまかせよう』

黒木奈々さんの『未来のことは未来の私にまかせよう』を読みました。 黒木奈々さんは、NHKのワールドウェーブトゥナイトを3年間、また国際報道2014、そして2015年が明けてからは国際報道2015でキャスターとして復帰なさっていました。本書は国際報道2014を休…

日本の最も美しい図書館

個性あふれる41の図書館。そのどれもがデザインや機能という点で固有の美しさを持っています。未来的な建物や歴史な趣のある建物、あるいは図書館の在り方そのものを問い直すようなまったく新しい図書館。こんな図書館を無料で使ってよいのかと思うほどです…

「ピアノ・ノート」

チャールズ・ローゼン「ピアノ・ノート」 世界的なピアニストが、ピアノという楽器と演奏という行為について自論を語る。いわば、ピアニストの奥義を垣間見ることのできるエッセイだと思います。ピアノを弾くとはどういうことなのか。ピアニストはあまりに弾…

「最暗黒の東京」

08/31 : 松原岩五郎「最暗黒の東京」 筆者は最下層の人びとに混ざって一年以上生活を送り、その様子を描いています。最暗黒の世界に暮らす人びとは何を考え、どのように生きているのか。暗黒界に暮らす人びとの劣悪な生活環境、彼らの創意工夫、生活を懸けて…

「仰臥漫録」

07/22 : 正岡子規「仰臥漫録」 柩の前にて通夜すること無用に候通夜するとも代わりあいていたすべく候柩の前にて空涙は無用に候談笑平生の如くあるべく候(p. 119) 結核をわずらった正岡子規が、その病床でつづったごく私的な手記です。最初は岩波文庫版をみ…

「ピエール・リヴィエール」

07/02 : ミシェル・フーコー編著「ピエール・リヴィエール――殺人・狂気・エクリチュール」 この本の題材となる事件は1835年6月3日にさかのぼります。フランスのオーネーという田舎町で、ピエール・リヴィエールはナタを使って母・妹・弟を次々と殺害しました…

「音楽用語のイタリア語」

06/10 : 森田 学「音楽用語のイタリア語」 音楽用語では、表面的な意味だけでは違いがよくわからない単語がたくさんあります。たとえば、accelerandoとstringendo(徐々に速く)、ritardandoとrallentandoとritenuto(徐々に遅く)、rinforzandoとsforzando…

「わが百味真髄」

06/09 : 檀一雄「わが百味真髄」 長ずるに及んで、私の放浪癖は、私の、自分で喰べるものは自分でつくる流儀の生活をいっそう助長したし、また反対に、私の、自分で喰べるものは自分でつくる流儀の生活が、私の放浪癖を尚更に助長した。 (pp. 10-11) 春夏秋…

「検定絶対不合格教科書 古文」

05/12 : 田中貴子「検定絶対不合格教科書 古文」 指導要領に端を発する既存の教科書の在り方に異議を唱えるべく書かれたのが、この検定「不合格」教科書です。 作品そのものの面白さを歪める検定に疑義を呈し、(創られた)伝統や自国の文化として提示される…

「オペレッタ」

05/01 : ジャック・ルシューズ「オペレッタ」 このようなわけで、オペレッタは、不ぞろいな魅力や、不意に何かがおこることの面白さや、陰にかくれて会っているかわいい女性の見せる甘美な優美さを、これまで保ち続けてきたし、これからも保ち続けることだろ…

「話がこじれたときの会話術」

04/21 : J. ウィンズレイド, G. モンク「話がこじれたときの会話術」 ナラティヴの実践原理として、対立の物語には常に複数の物語があるという想定を持って取り組むとよい。当然、双方の(または2グループ以上の)当事者たちは常に、起こったことについて異…

「卵のようにかろやかに」

04/23 : サティ「卵のようにかろやかに」 私は批評家がいるとそれだけで目がくらみます。あまりの輝かしさに、一時間あまりも目を細めていなければなりません。私は彼のスリッパに口づけします。私は彼の言葉を脚つきの大きなグラスでうやうやしく飲み干しま…