もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

渋沢栄一『雨夜譚』

渋沢栄一の『雨夜譚』を読みました。渋沢栄一といえば、日本銀行、第一国立銀行の創立に深く関わり、その他金融、保険、交通・通信、紡績といった分野で500近い会社の設立に関わったといわれています。その実業家としての一面も興味深いのですが、本書で語ら…

ブーメラン

ブーメランを持った人間が四人いる一人は、投げたブーメランを見事に受け取る人一人は、恐れから投げることをためらっている人一人は、投げたブーメランがときどきあたまにあたって痛がっている人一人は、投げたブーメランがあたまに突き刺さっているのに、…

回転寿司の思い出

回転寿司というのはごちそうだったから、行った時のことは今でもほとんど覚えている。 小学五年生ぐらいのとき、回転寿司屋に行ったことがあった。レーンは二段構えで、下には湯呑みが流れ、上は寿司が流れている。 両親に続いて席に座ると、さっそく僕は鉄…

ショパン - 練習曲 ハ長調 作品10-1.

ショパンの「練習曲 ハ長調」(作品10-1)を打ち込んでみました。『12の練習曲』(作品10)の第1番です。 IMSLPにあるミクリ編の譜面で指示されている速度は一拍あたり176/分とかなり速く、4オクターブにわたる右手のアルペジオをこの速さで弾くというのは…

役所

「はい。このような規則になっておりますので」 戸籍を盗まれたわたしは、戸籍を再発行してもらうために役所を訪れた。長年連れ添った冷蔵庫のように優しい女性職員が教えてくれた。 「戸籍の再発行には、戸籍が盗まれたという証明が必要です」 わたしは見知…

画面

(彼のヘルメットのうえに横長の小さなディスプレイが固定されていて、端末からメッセージを入力するとその画面に文字が表示される)彼はその画面を通じて、自らの意思を世間に表示する。彼の画面は語る。「豊洲で降ります」。サラリーマンは彼のまえに乗り…

ある雑誌を読み思う

「女性は男の人のちょっとした配慮がありがたいんです。夜だけ燃えて朝になったらシラッとしてたら、昨日のはなんだったのって思うんです。だから、朝になって朝食とかをつくってくれたらとてもうれしい。ピザトーストに、挽きたてのコーヒーとかでいいんで…

優しい彼の怒り

目の前をなにかがうろつく。第一に邪魔だと思い、第二に冬の厳しさが足りないのかと思いを巡らせる。それから、ごまつぶ程度の小さな虫、まあよく生きてるなと思いむやみに殺す必要もないから逃がそうと思った。窓を開け、「さあ、小さな命よ、外へお行きな…

NPCおばあちゃん

ファミレスにて <店員> ドリンクバーはあちらにございますので、ご自由におとりください <NPC> あたし、ドリンクバーってだめなのよう、とってきてもらえる? <店員> ですから、ドリンクバーはあちらに…… <NPC> あたし、ドリンクバーってだめなのよ…