もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

「東大教師が新入生にすすめる本」

01/31 : 文藝春秋「東大教師が新入生にすすめる本」

東京大学出版会の月刊広報誌 "UP" の同名のコーナーから、1994年から2003年分を採録したという本です。そのコンセプトは書名のとおり、難関をくぐりぬけ入学を果たしたばかりの気鋭の新入生たちに、研究者でありかつては学生でもあった教員が本を紹介するというものです。◆紹介するにあたって、コンセプトは3点。すなわち、(1) 印象に残っている本、(2) 研究者の立場からすすめる本、(3) 東大出版会の本、です。

紹介されている本は諸分野の学術書はもちろんのこと、ビジネス書などの一般書、小説や詩などさまざまですが、どれも知的な刺激を与えてくれるであろう本です。たとえば「仮面の解釈学」などは、タイトルを聞いただけで読み応えがありそうだなと見当がつきます。

学生にとっては、関心を深めるための案内として役立ちそうです(もちろん、自分で本を選んでゆくことも大切なのでしょうけれど)。たとえば「この本は1年生には早いから、4年生になってから読めばいい」というような紹介の仕方ができるのは、その分野に精通した選者ならではでしょう。

それ以外の人にとっても、あまり縁のない学術的な内容に踏み込んだ本や有名ではない本の魅力を雄弁に語ってくれる本書から、新たな本(それも、骨のある本!)との出会いが生まれそうです。