もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

偽社会人、もしくは社会人ごっこ

 最近、休日に「社会人ごっこ」をしている。というか、スーツ以外を着ることが物凄く少なくなった。

 休日なのに、ワイシャツを着て、スーツを着て、革靴を履いて、朝いつもと同じ時間に家を出発する。はたから見れば仕事勤めをしている人と何ら変わらないのだけど、実は休日である……という、しょうもない優越感も無いではないところが楽しみのひとつでもある。

 朝にカフェに行くと、仕事前に勉強している人や、簡単な準備作業をしている人などがいる。普段は私もその一員なのだけど、社会人ごっこの日はスーツ姿でだらだら本を読んだり、勉強してみたりする。

 それから図書館に行ってみたり、映画を見てみたり、公園を歩いてみたりする。スーツとカバンで昼間から公園を歩くさまは、恐らく世の中の「異物」なのかもしれないけれど、学校をサボるのと似たような楽しみと言えるかもしれない(学校をサボることを奨励する意図は全く無いのだが)。先日は、新宿御苑へ行って弁当を食べながらのんびりした。黒いスーツに黒い鞄を持って。

 私の持っているスーツはほとんどパターンが決まっていて、コーディネートなどを考えずに済んで楽だし、読書や勉強をするにも気が引き締まる効果もある。また、どこへ行ってもさほど違和感がない。いろいろな意味で楽なのだ。むしろ、カジュアルな服のほうが難しくて、あれこれ選んでダサくないようにするほうが、よほど大変だ。とはいえ、年中スーツというのも異常なのだろうが。

 そんなわけで、この世界のどこかに、今日も偽社会人が少なくとも一人は存在した、というわけである。