もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

他人をお茶に誘うのは難しい

 他人をお茶に誘うことはなんと難しいことだろうか。とりわけ仕事の場において男同士というのは酒ばかりでお茶が無い(私の狭い世界に限るのだろうが)。

 なにかを語り合うなら、お茶の方がよいと私は確信しているのだが、「飲み行きますか」とは言えても、「お茶行きますか」とは言えない。やはり男たるもの酒であるというような、見えない壁がある。

 「お茶」と言うより、「喫茶店」や「カフェ」と言ってみたらどうだろうか。「喫茶店でも入ります?」というように。いや、それでも難しい。もしかして、もしかしなくても、単に私が嫌われているだけなのではないか?

 それはともかく、飲み会と比べると、お茶会ならではの良さというものもある。アルコールが入らず、それでいて気軽な雰囲気もある。アルコールが入ってしまうとどうしても真面目な話はしづらくなってしまう。というより、先日もそうだったのだけど、気持ちのいい当たり前の主張ばかりを叫んだり、酷いときには激昂する人すら実際に居る。だから、ある程度真面目な話をしたいときには、やはりお茶会が良い。

 仕事場のような堅苦しさもなく、飲み会よりは真面目な話も出来る。そして、喫茶店でしか引き出せない話が意外と多いのだ。それはおおむね2つあって、一つは個人の性質的な情報である。その人の思想や人間性などは、日常の何気ない場面でこそ見える気がする。

 もう一つは、道具的な情報、つまりそのまま役に立つ情報だ。気軽な雰囲気で話すことで、より本音に近い部分が出てきたり、普段聞けないような話が出てくることが少なくない。

 こういうことで、カフェは非常に役に立つと思うので、私は他人をお茶に誘いまくりたい。今は厳選して「話を聞きたい人」にだけ誘いをかけているのだが、もう少し広げたほうがいいなと感じている。仮に「あんまりこの人とは合わないな」と分かっても、合わないという事実が分かるだけでも得られるものがあるし、損失といってもわずかな時間と、一杯のコーヒーが無駄になるだけだから大したこともない。お茶会がもたらすものは、意外と大きいように思う。もし、お茶会に誘うことが出来れば、の話だが…………。