もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

それでもわたしは手を洗うのをやめない

今週のお題「冬の体調管理」

 いまわたしがインフルエンザにかかっていないのはたまたまだとしか言いようがない。わたしも感染しないように努力はしているが、その努力と発病しないことの因果関係がどれだけあるのかはまったく怪しいものだ。

 なぜこんなことを書くのかと言うと、感染したくないとさんざん努力をしたにも関わらず感染・発病してしまった人を知っているからだ。彼女は自分がハイリスク群(彼女の場合は重症化、合併症を恐れる)に属することを知っていたので、ふつうの人よりもはるかに対策に気を遣っていた。それでもなってしまったのだ。

 そもそもそのような対策は、コスト的にも作業的にも負担が大きく、続けられるとは思えない。だから、わたしに出来る対策と言えば、健康的な生活を心がけること(十分な睡眠など)、自分や衣服の清潔を保つこと(手洗い、うがい、マスク着用など)くらいしかない。これらを、根気強く、つねに正確に行うこと。この「つねに」というのは、じつはすごく難しい。せっかくアルコールなどの入った手指消毒剤が自宅にあっても、「近所に出ただけだからいいや」などと言って使わなければ意味がない。もし使っていても、手洗いの仕方が雑だったらこれまた意味がない。けれど、一日何万秒と生活していれば10秒くらいはそういう隙が出来てしまうものだ。だから、つねに注意深く心がけるようにしていたい。

 というわけで、わたしはまず「手を”きちんと”洗おう」と呼びかけてみたい。手洗いをしようがうがいをしようが、それでもインフルエンザにはなるかもしれないが、それでもわたしは手を洗うのをやめないだろう。それで少しは防げるかもしれないと考えているからだ。我ながら涙ぐましい努力である。

 流水できちんと洗い流し、アルコール手指消毒剤で、手のひら、手の甲、指のあいだ、指の付け根、親指、親指と人差し指のあいだ、指先、爪のあいだ、くまなく洗う。慣れれば15秒くらいで洗えると思う。まあ、これは病院で聞いたことの受け売りなのだけど。

 お話はここでおしまい。あとはもう少し細かい話をしようと思う。

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 彼女はとにかく気を遣っていた。例えば、帰宅直後には手洗いうがい、アルコールなどの入った手指消毒剤でくまなく洗う。外出時には常に比較的高価な立体マスクと手袋を着用し、インフルエンザ患者からのしぶきを受けないように人混みを避けるようにしていた。ほかにも、ワクチン接種、部屋の湿度管理、などなど、わたしには経済的にも(笑)真似できないほどであった(3枚900円のマスクを数か月にわたって使うなどわたしには考えられない)。

 だから、どんなに対策をしてもなるときはなってしまうのだと、わたしは考えざるを得ない。それはおそらく彼女がハイリスクだったからではないし、不断の対策を怠ったからでもない。それは、ふつうの人が出来る精一杯の対策さえも、ウイルスはくぐり抜けてくるということである。

 その後彼女は、のどの痛み、発熱などから早い段階でインフルエンザを疑い病院へ行ったが、一度目の迅速検査では陰性だったこともあり帰された。ただしこの検査には感度に問題があることで知られていて、発症直後の早い段階では偽陰性(陽性であっても陰性とみなしてしまう)が大きい。それから熱はどんどん高まり、39度に達した。それで高熱を押して大変な思いをしながら再度受診したところ、検査結果はインフルエンザA型陽性、抗インフルエンザ薬を吸入した、というのがつい先週の話で、すぐに解熱してのどの痛みだけになり、それも治ったという。

 余談だけど、彼女の話を聞くと、迅速検査はそこまで必要なのかという素人的疑問も湧く。検査を用いずとも臨床的に(実際にのどなどを見て)それらしき兆候は確認できるというし、患者にとっても病院にとっても負担が増すようにしか思えない。そこまでして、迅速検査で陽性を認めることが、治療上必要なのだろうか。そのあたりを伺ってみたい。が、わたしは尊大なお医者様にそれを聞く勇気もない。