もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

インフルエンザの予防接種

 いさかいの種がどこにあるのかは分からないものだ。言い争いとまでは行かなくても、他人との意見の違い、それも埋めようのないものを突き付けられたとき、その人との距離感を感じてしまうことがある。

 インフルエンザの予防接種の話だ。私は効果はあると言い、その人は効果はないと言った。私の根拠は至って単純だ。病院で医師から受けるように指導を受けたし、厚労省をはじめとする公のところは、予防策として、手洗いやうがい、十分な睡眠とともに、予防接種を受けることを推奨しているからだ。それに対して相手は、自分が打っても罹ったことや、かかりつけの医師の意見を根拠として挙げた。「医師」が出てきてはどうしようもない。子ども社会において「ママが言ってたもん!」が強い威力を持つのと同じだ。

 その人からすれば、私は政府に盲従する愚か者ということだろうし、私から言わせれば、否定をするなら十分な根拠(エビデンス)に基づいた否定材料を出してくれという話だ。互いに「これはダメだ」と悟って矛を引いたが、そんな思想の違いが見えてしまったので、どこか気まずい雰囲気のまま食事を終えた。

 そう、これは思想の違いだった。巨視的な視点からみて予防接種の効果があるかという話ではない。自分がどのような選択をするかという話だったのだ。