もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

F. Chopin, Nocturne in C minor, Op. 48. No. 1.

 ショパンハ短調ノクターン(作品48-1)を打ち込んだ。おそらく、変ホ長調(作品9-2)、変ニ長調(作品27-2)と並んで人気が高いと思う。人気の高い作品で優れた演奏も多いだろうに、なぜわざわざ打ち込んだのか。それは、この曲が好きだから!

 この曲はショパンの魅力が詰まった作品の一つだと思う。一見分かりやすくて間口は広いのだけど、いざ取り組むととてつもなく難しい。感情的にも、おそらく技術的にも。

 以下、私の勝手な制作メモ。すべては思い込みで、根拠はない(笑)

 打ち込みメモ

 まず冒頭の2音が難しい。この作品が好きな人だと、この2音で「はい、ダメ」と言われかねない……。

 ソ―ラはすぐ切ってもいけないし、あまり残ってもいけない。まさに訥々と歌いだすような感じで。どの作品でもそうだけど、雄弁になってはいけない。「ああ、なんて悲しいのだろう!!」みたいな歌い出しにはしない。フレーズの終わり(4小節目)は口ごもる感じで。もともとはクレシェンドに代えて stretto という指示だったことも(反映はしないけれど)頭の片隅に入れておきたい。

 10小節目 (0:48-) の装飾音は、個人的にまあまあ良くできたと思う数少ない部分の一つ。

 中間部のオクターブは冒頭と並んで打ち込みたかった部分。とくにオクターブ部分のペダルを指示通りにしたらどうなるかという試み。piu lento の透明な響き。クライマックスのffから一気に主題に戻る。ここも打ち込んでいてうまく感情が乗ってくれたと感じた。

 そしてその勢いのまま doppio movimento に突入する。ここでは両手の分厚い三連符の和音に乗せて、か細いソプラノが主題を再現する。徐々に左手の低音が存在感を増し、盛り上がってゆく。盛り上がるのだけど、やりすぎない(分厚い和音に旋律が埋もれてしまうか、ソプラノが絶叫するしかなくなるから)。

 最後は息絶えるような感じ。最後の前打音の表現はちょっと気に入っている。

 改善点はたくさんあるけれど、とくに中間部のアルペジオ。作り終えてからいろんな演奏を聴いてみたけれど、ホフマンの中間部は本当に素晴らしい。まさにreligioso. 私のはあまりにも譜面通りでつまらない。ただ僕の表現にも良いところはある……と思いたい。

 

https://youtu.be/SHo8vnBT9MM


F. Chopin Nocturne in C minor, Op. 48-1.