もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

リスクホメオスタシス的な朝

 今日はいつもよりも早起きしたのに、結局いつもと同じ時間に家を出た。それでふと思い出したのが、リスクホメオスタシス(リスク恒常性)という考え方だ。

 自動車の安全性(運転のサポート、道路工事、取り締まりの強化など)が向上しても、その分だけ人は速度を出すなどリスクを高める行動をとるため、結局事故のリスク自体はほとんど変わらない。これをジェラルド・ワイルドという人はリスクホメオスタシス理論 (RHT : Risk Homeostasis Theory) として唱えた……というのは、以前に読んだにわか知識だ(「交通事故はなぜなくならないか」 - もの知らず日記)。

 結局早起きをしようが、その分だけぼーっとしたり、テレビを見たり、スマホでゲームをしたりしていて、結局家を出る時間が変わらない。まったくどうしようもない人間だ。

 リスクホメオスタシス理論に対しては、「では、安全装置は無駄だと言うのか」という曲解に基づく非難が浴びせられるのだけど、まさしく私自身も、私自身に対して「早起きは無駄だというのか」という非難を浴びせている。どちらも事実はそうではないだろう。安全装置には意味があり、早起きもまた、早く自宅を出ることに対してきっと意味があるはずなのだ。

 この批判に対してリスクホメオスタシス理論は、ドライバー自身がリスクの許容水準を下げることの重要さを強調している。ドライバー自身がリスクを意識することであり、また意識するように制度的に動機づけることである。

 こういうことを思い出して、私自身もまさしく、自宅を早く出ることを意識し、また、自宅を早く出るように動機づけることが必要だなと思っている。しかし本書と同じように、そのためにどのような制度を作るかとなると、なかなか難しいところである。……いやいや、たかが一個人のことなのだから、簡単なはずだのだが。

 はぁ、今日もリスクホメオスタシス的な朝を過ごしてしまったな、と電車のなかでため息をついている。まぁ、これも誤読三昧のトンチンカンの戯言です。