もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

フリーゲーム「ナルキッソス2」をプレイしました

片岡とも さんの「ナルキッソス2」をクリアしました。

 「ナルキッソス」と、前日譚の「ナルキッソス2」が同梱されています。

 人の死を扱ったゲームではありますが、いわゆる泣きゲーというよりは、考えさせられる、いろいろな人と感想を交わしたくなる物語ですね。じっくり読むのが好きなので私はハマりました。

 舞台は緩和医療病棟、要するに死を宣告された人が、なるべく苦痛の無いように治療を受ける場所。限られた人生のなかで、どうやって死ぬのか。どうやって生きるのか。それを自分で決めることにどんな意味があるのか。というお話だと思いました。

 以下、気になった点を列挙します。ばんばんネタバレしています。クリア後に読んだら、「的外れもはなはだしい!」などとツッコめて面白いかもしれませんが、クリア前に読むと楽しさが激減してしまいますのでご注意頂ければと思います。

 また、整理されたレビューではないので悪しからず。

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金魚

 小学4年生くらいだったか。


 ちょうどこの時期のこと。

 

 姉が水の入った袋を持って帰ってきた。なかには赤く光る金魚がチラチラ輝きながら泳いでいて、父が慌てて水槽の用意をしていた。

 

 うちでは以前金魚を飼っていた。私が10匹ほどすくってきて、直後どうしたかは忘れたが、後日大きな水槽やらエアポンプやらを用意して、金魚を泳がせた。


 けれどみな死んでしまった。

 

 それで、姉が金魚を持ってきたときも、家のなかでちょっとした騒ぎになった。後先も考えずに金魚をすくって帰ってくる。子どもはそういうものだ。

 

 父がわたわたと準備しているあいだ、姉は何を考えたか洗面台に行った。
 金魚を持って。

 

 洗面台で金魚を泳がせようと思ったのだろうか。

 

 いま姉に聞いて、このトラウマを掘り起こす勇気はない。

 

 とにかく姉は洗面台に金魚を放った。
 金魚を放ってから栓を開けたのか、栓を開けてから金魚を放ってしまったのか。
 いや、そもそも水など溜めていなかったのだ。

 

 金魚が排水溝に挟まった光景を私は今でも忘れない。
 水を流せば金魚は排水溝のなかに流れてしまうかもしれない。
 かといってそのままでは金魚は死ぬ。

 

 急いで取り出すしか策は無いように思われた。

 

 姉は呆然と立ち尽くし、私がとっさに父を呼ぶと、やがて状況を理解して泣き出した。
 父はピンセットかなにかで救い出そうとしていたと思う。
 しかしその方法は、挟まった金魚の身体を傷つける。

 

 けれど、ほかにどんな方法があっただろう。

 父はもちろん、見守る私まで汗だくになっていた。


 結局、2匹の金魚は死んだ。

 

 母が空いた豆腐パックを持ってきた。
 私と父は黙って、救い上げた金魚をそこに入れた。
 姉も連れて3人で外まで歩いて行った。姉はぼろぼろ泣いていた。

 

 誰も使わない、雑草の生い茂っているところに穴を掘って、金魚を埋めた。
 両手を合わせた。
 姉は家に帰ってもやはり泣きじゃくっていた。

 

 この取り返しのつかない経験を、姉は覚えているのだろうか。
 姉はこの経験からなにかを学んだのだろうか。

 

 私には分からない。

 

 

 それでも、夏になって花火が上がると、このことを思いだす。

フリーゲーム「籠の街」をプレイしました

かずき さんの「籠の街」をクリアしました。

大人になりたくない少年の物語。

綺麗なグラフィックとメッセージのあるシナリオで、楽しめました。やっぱりこう、作り手からガツーンと来るものをやると、楽しいです。

 

以下、ばんばんネタバレしています。クリア後に読んだら、「そりゃ違うやろアンタ!」みたいにツッコめて面白いかもしれませんが、クリア前に読むと楽しさが激減してしまいますのでご注意頂ければと思います。

また、整理されたレビューではないので悪しからず。

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効果の一覧

Wikipediaの「効果の一覧」から、好きなもの、気になるものをメモ。読めば分かると思いますが、メモなので正しさは一切保証しません。

 

 

 あ

  • アンダーマイニング効果……報酬によるやる気の低下。反対は、エンハンシング効果。
  • オズボーン効果……予言による予言の挫折。意図せざる帰結。

  • 偽(ぎ)の合意効果……他人も自分と同じように考えるだろうというバイアス。
  • コブラ効果……コブラ退治の政策がめぐりめぐってコブラを増やす結果を生んだ事例。意図せざる帰結。

  • ストライサンド効果……ネットは、消すと増える。バーブラ・ストライサンドに由来。
  • ストループ効果……青色で「あか」と書いてあると回答が遅れる。ただし「このような課題を行うことにより、健常者の認知機能が改善されるという確たる科学的根拠は、今のところ存在しない」。

  • ストロー効果……交通網(ストロー)の発達により、コップの中身(各地域)は口(大都市)へと吸い上げられてゆく。
  • ゼーベック効果……「物体の温度差が電圧に直接変換される現象で、熱電効果の一種。逆に電圧を温度差に変換するペルティエ効果[1]もある。類似の現象としてトムソン効果やジュール熱がある」。

  • ダニング=クルーガー効果……能力の低い人間による「優越の錯覚」。自己の過大評価と他者の過小評価。
  • 小さな池の大きな魚効果……大海を知る蛙よりも、井の中(ふつうの蛙たちの中)の蛙のほうがいい?
  • ツァイガルニク効果……達成したことよりも、達成できなかったことのほうが記憶に残る。提唱者の人名に由来。なぜか関連に「燻製ニシンの誤謬(レッド・ヘリング)」。
  • 吊り橋効果……みんな大好き。出来事→解釈→感情と、出来事(吊り橋)→感情(どきどき)→解釈(これって恋?)という情動二要因論。美人でないと逆効果?
  • テスト効果……聞いたり書いたりするだけよりも、思い出す(検索)したほうが記憶として定着しやすい。「検索練習(retrieval practice)」、「テスト強化学習(test-enhanced learning)」とも。

  • バタフライ効果……みんな大好き。カオスの予測困難性の比喩的な表現。
  • バルサルバ(ヴァルサルヴァ)効果……息を止めて力むと、力が出る。「循環器系の疾患をもった人は、ヴァルサルヴァ法で死に至ることもある」。イタリアの解剖学者、アントニオ・マリア・ヴァルサルヴァ(1666 - 1723) が使ったことから名付けられた。
  • ハロー効果(後光効果)……肩書きなどによるバイアス。
  • バンドワゴン効果……みんな大好き。多数が選択している現象が、選択する人を増やす。人は「勝ち馬に乗りたがる」。反対はアンダードッグ効果。「衆人に訴える論証」の項目で、例に「ねえお父さん、スマートフォンを買ってよ、友達はみんな持ってるんだよ」って、書いたの誰だ(笑)
  • バーナム効果……みんな大好き。私も大好き。「あなたのお母さんは、そう、50歳、あるいは60歳か70歳くらいね」「まあ、その通りです!」ってやつ。
  • ビール・ゴーグル効果……お酒を飲むと、そうでもない人でも美人・イケメンに見えてくる?
  • ブーバ/キキ効果……私の好きなやつ。私はキキのほうが好き。
  • ブーメラン効果……みんな大好き。私もいろいろな場面でお世話になってしまう効果。
  • プラセボ効果……みんな大好き。少し違うけどホーソン効果とも関連。
  • ブラジルナッツ効果……へえーっ!
  • 傍観者効果……みんな大好き。衆人環境下で殺人が行われたキティ・ジェノヴィーズ事件など。

ま・や

  • マイクロ波聴覚効果……ひえー(圧倒的無知)
  • マグヌス効果……どこかで聞いたような……
  • マランゴニ効果(対流)……どこかで聞いたような……
  • ユール=シンプソン効果……シンプソンのパラドックス。集団全体で見た場合と分割(層別化)した場合とで、結果が食い違う。

  • ラジオメーター効果……へえー!
  • ライデンフロスト効果……フライパンに水滴を落とすやつ。
  • 羅生門効果……「藪の中」。
  • ロックイン効果……祖母も、ずっとソニー製品買ってるなぁ。
  • ロミオとジュリエット効果……まんま。ドリスコールが命名

香りの記憶

 「あっ、幼稚園年少時代の先生と同じ匂いだ!」、と、瞬時に心のなかで思った。

 

 香りの記憶というのはすごいもので、何十年も前のことを一瞬で思い出すこともある。

 

 例えば風。ある瞬間の風が、過去の風景を思い出させる。


 例えば家。レジもなく、そろばんをはじいていたおじいさんの商店の香り。失われた風景とともにある香りの記憶。

 

 なにより、人、とくに異性にはそれを強く感じる。それが冒頭の話である。それは、香りの記憶を関係のない他人に投影してしまうこともあるということだが、その話を今ここでしてロマンチックな思い出を壊す必要もない。

 

 じつは、3歳くらいのときに母の股に顔を押し付けて頭をひっぱたかれた記憶がある。匂いもなんとなく覚えているのだけど、その香りの記憶を思い出すことは、もうないのだろう。