もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

私はゴム底のほうがいい

 最近、自分のスタイルを確立しつつあるというか、いろいろな失敗を体験して、一通り分かってきたかな、と感じている。今回は靴底の話だ。

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 先日靴のヒールを交換しようと思ったら、ソール自体が摩耗していたので、交換してもらうことにした。ヒールだけなら数週間の納期で工賃も数千円なのだが、ソール全体となると一か月ほどかかり、値段も1万円を超える。靴自体の値段を考えると、結構この差は大きい。

 私はラバーソールの靴とレザーソールの靴を持っているのだが、今後はラバーだけにしようと思っている。歩く靴としての実用性を求める以上、レザーソールを履いたのでは傷みが早すぎるし、靴もかわいそうだ。私はとにかく実用性を重視していて、手入れはこまめにしているが手順自体は簡素だし、靴自体も保守に手間やお金がかからないほうがいい。実用性に偏る私のスタンスは、世の靴好きからすれば「分かってない奴」ということになるに違いないが。

 怒られることを承知で書けば、正直、私が感じたレザーソールの魅力は、二つしかない。桁違いの柔軟さと、よりオーセンティックなスタイルであることだ。この点は比べ物にならないほど素晴らしい。縫い糸を隠す意匠など、見せる機会はないけれど職人技の賜物だ。しかしレザーソール自体に対しては、そういう趣味以上に不便な点が多いと感じる。滑りやすく、こまめな保守が必要で、お金がかなりかかる。

 街中の濡れたタイルや大理石の上では、ゴム底感覚で下手な歩き方をするとツルッと滑って転びそうになる。道の間違いにハッと気がついて、とっさに方向転換したときなどが非常に危ない。滑る対策としては先端にラバーをつけたりする場合もあるが、私の靴屋では対応していないと思うし、なによりオーセンティシティも損ない実用性も半端と言うのでは、私はどっちつかずであまりいい選択肢ではないと思う。

 なによりレザーソールの保守コストに驚いている。普段使いで週3程度で終日履いていたのが、そもそも悪いのだろう。

 ヒール(踵)だけ見ても、ラバーソールは10年履いていてやっと交換しようかというくらい*1だが、レザーソールは1年に2度も変えている。そして購入3年目でソールの交換だ。もっとも、同じ頻度でローテーションするなよ、という話なのだろうが。

 歩く時の靴音がいいという話も聞くが、私の靴はダイナイトソールのほうがカツカツと鳴って心地が良い。レザーソールはむしろ静かだ。

 ということで、何年もかかってようやく、やっと自分に合う靴の嗜好が分かってきたかな……? というところである……。

*1:ときどき心配になって靴屋に持っていくが、毎年のように「まだまだ平気ですよ」と笑われる。