もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

買い溜めについて思うこと

 記事を読んだ、というただのメモ。

 マスクやトイレットペーパーの買い溜め*1に対して、「一部の人間がデマに踊らされて買い占めをした」というような解釈をする大人が私の周囲にいる。端的に言えば、買い溜めをするのは奴らがバカだからで、対策としては罰を下すしかない、という考え方だ。が、これって人をなめた話だなあと思う。私はもう少し、日本に暮らす人びとの賢さと善良さを信じたいなあ、と、ひとり勝手に思うわけである。

 そんなところに日経ビジネスの「買い占めに走る消費者は『間抜け』なのか?」という記事を読んだ。問題が「デマに踊らされた人」だけにあるのなら話は単純なのだけど、そうは行かない。問題が難しいのは、まともな人が、ある状況下で合理的に行動した結果、社会全体として望ましくない事態に陥ってしまっている可能性があるということだ。もちろん彼らが言うようにデマに踊らされる人もいるかもしれないけれど、これだけ大規模な現象はそれだけでは説明できないだろう。

 

 解決策を出す難しさは記事でも書かれている。結局一人一人の意識、自分の行動と社会的な結果に対する想像力に頼れないということになれば、配給制のように個人の権利に踏み込んで強制的にやると言う話も出てくる。

 なにを言いたいかと言えば、バカな人がバカをやる、って、そんなに世のなか単純じゃないよなぁ、というところ。そしてそういう見方をする人ほど自己責任論(ここで言うのは、環境・状況の影響を無視・軽視して個人に責任を帰す考え方)との結びつきが強い、というのも私は感じていて、少し気になっている。

business.nikkei.com

 

*1:「買い占め」は少数の人間による独占を指すが、「買い溜め」はあくまでも個々人の消費行動を指す。