6・7月のあいだに自作品を打ち込みました。カノンは思いつき、ほかの2つはロマン派に没頭していたころの過去作品の手直しです。ロマン派の影響はいま聞いてもはっきり分かるほどで、「こいつ、シューベルト~ショパンのあの作品とあの作品etc. を聞いていて気に入ったところをそのままパクりやがったな……」と思ってニヤリとします。
以下、どうでもいい細かなお話。本来音楽を言葉で語るのは野暮としか言いようがありませんが、ここはわたしの日記なので平然と語ります。というか正直、周りに対して自作品を「音楽」とか「作品」とか言うのも恥ずかしい。
カノン風
手作り風パンとか言うときの「風」。どう頑張ったって機械の「手作り風パン」はお母さんの「手作りパン」にはかなわない(お母さんが壊滅的に黒焦げしたパンを習慣的につくらない限りは)。「カノン風」も同じことです。基本的に五音(ドレミソラ)の制約のなかで作って、和風を演出してみようという小賢しい手法も導入してみました。伴奏はぜんぜん和風じゃないのにね。
霧雨
イメージが限定されるのが嫌なので普段は表題をつけないのですが、これははっきりとしたイメージがありました。それは「叫び」。
技術的には、左手の低音を旋律にした短調の作品を作りたくて作りました。もろにショパンのハ短調のポロネーズ (op. 26-2) の影響です。あと雨だれと呼ばれる変ニ長調の前奏曲 (op. 28-15)。でも唐突に1拍だけ長調の音をぶち込むあたりはシューベルトを勝手にイメージしています。一瞬だけ光が見えて、見えたかと思うと消えてしまう。いろいろ試みもしましたし、イメージを音楽に出来たという意味で個人的に気に入っているものでもあります。
前奏曲 ヘ短調
わざわざヘ短調なんてクラシカルなタイトル(調)をつけたのは、クラシックの仲間入りをしたいからではなくて、つくった時期と調性でだいたい分けておかないと保存上見分けがつかないからです。タイトルをつけるのが面倒で短い曲を片っ端から「前奏曲」にしていたせいで、フォルダが「前奏曲」だらけになってしまっていて。
曲はインベーダーゲームをイメージしてつくりました。誰にも理解されませんし、どの辺がと聞かれても答えられませんが、ぼわーんとイメージしていました。宇宙船を操作して、虫みたいな気持ち悪い敵をガガガっとやっつけるやつです。
内容的には本当に中身が無いです。同じ音型でごり押し。その音型は休符のエネルギーで、ンタタタ・タタタタ。コーダ手前からコーダは、きっとショパンの協奏曲やバラードが好きだったんですね。繰り返しでアクセントを変えたりするのも、ショパンが繰り返しで同じように弾かずに変奏したりフレージングを変えて表現するのを真似しています。過去の自分は間違いなくそういう奴です。