もの知らず日記

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いわもとQの思い出

「いわもとQ」が10月15日に全店閉店!池袋店は11年の営業に幕 | としまらいふ | 池袋情報・豊島区情報ブログ

 

 ふとChromeのニュースを見ていたら、池袋のいわもとQが閉店するという記事を見つけた。全店舗が閉店するらしい。

 かつて学生時代に足繁く通ったいわもとQ、初めは革命的な驚きがあった。あの値段でつねに揚げたての天ぷらが出てくる、茹でたてをしっかり冷水で締めた、つやつやのそばが出てくる。それまで立ち食いそば*1と言えば、もっぱら早さを重視して美味しさがいくらか犠牲になるのは仕方がないと思っていたのだが、いわもとQは私のそんな固定概念を覆した。「革命」という言葉も大げさではない。

 朝に訪れることもあれば、夜に訪れることもあった。夜のほうが多かったか。百回は間違いなく通った。

 店員のおばさんの、威勢のよい挨拶を聞いて、そば湯を飲みながら待つ。最もよく頼んだのは大盛りの野菜天もりそば。一時期は好物のなす天がついていたこともあったが、すぐに無くなってしまった。恐らくコストの問題だったのだろう。

 実のところ、いわもとQでは単にそばを食べていただけで、誰かと過ごしたとか、何らかのイベント(ゲーム的な用法での(笑))がしたとか、これといった思い出もないのだが、一つだけ、クレーマーのおじさんが来たのがやたら印象に残っている。50代くらいのおじさんで、夫婦で来ていたのだが、「そばを茹でるので時間がかかります」と言っているのに、数十秒も経たないうちに「急いでるから早くしろ」と言い出した。私はそれを横目で見て、「いやいや、急いでいるならそばを頼むなよ」と思いながら野菜天そばを掻き込んでいた。そんな出来事は、この街なら毎日のようにあることだ。

 ともあれ、思い入れはないとは言っても、数年間ずっと利用した店ではあったから、最後の日に再訪することも叶わなかったのは、残念なことである。それを思い入れと言うのかもしれないが……。

*1:座席があっても素早く安価でそばを提供する店を、このようにカテゴライズしてもよいと思うのだが。