もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

フリーゲーム「紅く追憶の水葬」をプレイしました

 kotonoha* さんの「紅く追憶の水葬」をクリアしました。ゲームやってばっかりですね(笑)

 面白かったです。ミステリーではあるのですが、プレイヤーが行き詰らないように配慮されているので、ほとんど読み物として楽しむことが出来ます。ただ、流血表現があるので、そこだけは注意が必要ですね。とはいえ、そこまでグロテスクではないと私は感じました。

 

 何らかのトラウマを抱えた、記憶喪失の主人公。血の滴る夢から物語は始まります。目が覚め、病床にいた主人公のまえに、静莉(しずり)と名乗る女の子が現れ、オセロと言う名前を与えられます。しかも自分の屋敷で面倒を見てやると言うんです(うらやましい!)。

 血の渇望という、一見異常な性癖を持つオセロ。静莉の誕生日パーティーで仕掛けられた「デザート」をあっさり看破するあたり、只者ではないようです。そんななか、パーティー後に殺人事件が起きてしまいます。

 そして犯人は誰なのか。オセロは何者なのか。なぜ記憶喪失になったのか。

 

 冒頭にも書いたとおり、とてもやりやすかったですね。私は考えながら読みましたが、選択肢が少ないうえにそれぞれ総当たりで進めるので、考えずにプレイすることも出来るようになっています。

 シナリオも面白くて、まさかそんな能力が、と思わせておいて、推理自体は相手の言葉尻や行動の矛盾から突き詰めてゆくだけ、王道なんです。屋敷といい、自白する犯人といい。「ノックスの十戒を提示しておいて、超能力かー!?」と思いきや、それらをきちんと守っているのですよね。 

 ただ、一部の心理的な選択肢(ネタバレなのでどことは言いませんが)は推論できませんでした。正答を選べたのは「この作者はこんな単純な選択肢を選ばせないだろう」という、心理的なメタ推理(読み解くうえでは反則です)でした。それに関してはあとでかなり親切に語られていて、それからはすごく簡単になりました。とはいえ、この選択肢が無いとあまりに簡単すぎてしまいますね。難易度のさじ加減がうまいなぁと思いました。

 物語の内容も面白かったのですが、これはネタバレになってしまうので言えませんね。一番気になるのはやはり、万象の真意はいかに……というところでしょうか。

 絵も綺麗、音楽も明るいものから不気味(笑)なものまで見事にマッチしていて、とても楽しくプレイできました。

 

 私としては、すごくおすすめです。楽しめました。