もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

水出しアイスティー

 水出しアイスティーにはまっている。こんなに楽にアイスティーが入れられるのかと、感動に打ち震えている。アイスティーを入れるのがどんなに大変かは、入れたことのある人にしか分からないだろう。

 作業としてはただお茶を入れて冷やすだけなのだが、そのまま冷やすと色が濁ってしまうので、一気に冷やさないといけない。それでも色が濁ってしまうことがあるから、本当に苦労するのだ。

 その点、水出しアイスティーは様々な難点を一気に解決してくれる。抽出時間を細かく正確に計る必要は無く、一晩冷蔵庫に入れて放っておくだけでよい。ポットも一つで済む。それでいて渋みのないまろやかなアイスティーがほとんど確実に作れる。まあ、プロからすればツッコミどころは多いだろうが、素人レベルでは大満足だ。なんと素晴らしいことか。我が相棒ドナウくんが活躍する機会も随分増えた。

 このドナウくんというのは、ハリオ製のガラスのティーポットである。その形状は抽出時に茶葉が舞うようにふくよかな丸みを帯びていてなんともかわいらしい。どちらかというと女性らしさを連想するようなティーポットなのだが、私はそれをドナウ「くん」と呼んでいる。跳ねるような語感が心地よいと思う。

 水出しにはダージリンのファーストフラッシュがいいだろうと、このあいだ奮発して買ってみた。50gで3000円だからなかなかの値段だ。へたくそが入れるにはもったいない茶葉なのだが、水出しならばよいだろうと思い切って買ってみた。金色にも見える水の色も、最初の一口の鮮烈さも、ほかの紅茶では味わえない。口の中に何の嫌味もなく、青々とした爽やかな香りが吹き抜ける。暑苦しいこの夏も涼しくなるというものだ。

 そんなこんなで私は小躍りしながら水出しアイスティーを毎日のように作っている。細かなうんちくはいらないし、自分の楽しいようにやる。エアコンの壊れた部屋で、うちわを扇ぎながら飲む一杯は格別だ。