もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

帰ってきた叔父

 電話で祖母が、「~~(叔父)が帰ってくるようになった」と言っていた。そのときの弾む声色は明らかに嬉しそうだった。

 叔父はそれまで寝に帰るだけで、夜1時に帰ってきて朝6時に出勤するなんて生活をずっと続けていた。それも時間はバラバラで、勤務地もバラバラ。遠ければ当然帰ってくる時間もない。責任ある立場だというのだが、責任者が少なすぎてあらゆる場所を回って立ち会っているらしかった。

 それが最近になって帰ってくるようになったというのだ。おそらく働き方改革の影響なのだろう。それまでふわふわの規制にすぎなかった残業時間の上限にガッチリ法律で規制がかかったり、企業では勤務間インターバル制度(ある日の就業時間と、その翌日の始業時間に一定以上の時間を開けて、労働者が休めるようにする制度)が導入されたり、そのあたりの改革が明らかに叔父の生活を変えたと言えるであろうと思う。そしてそれは一緒に暮らす祖母の安心でもある。もちろんその休日のしわ寄せがどこにどう行っているのかは考えたくないのだが。

 4月改正で始まった高度プロフェッショナル制度を「残業代ゼロ法案」と呼んだ人たちが居たように、働き方改革に問題点が無いとは言えないのだろうが、休日に関してはそういう恩恵が目に見えるかたちでやってきた。