もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

「さんぽ」

 街を歩くと、幼稚園児の子どもたちの声が聞こえてきた。「さんぽ」だ。懐かしいな。わたしが幼稚園にいたときも、歌っていたものだ。みんなバラバラのキーで、先生のお手本にも他の子の歌にも構うことなく自分自身の「さんぽ」を歌っている。調べてみると、「となりのトトロ」の公開が1988年、かれこれ30年以上歌われ続けていることになる。

 世間の目まぐるしい流れに戸惑うばかりのわたしにとっては、世代を超えて共有されているものがとても、とても貴重に感じられるのだ。ああ、子どもたちよ、先生方よ、素敵な「さんぽ」を歌ってくれてありがとう。あなた方はわたしをどんなに喜ばせてくれたことか。思わず石畳のプロムナードでひとりスキップをしていた。

 夕方、家に帰って、卒業ソングというのも調べてみた。いろいろな歌があるが、「旅立ちの日に」が上位に入っているのがなんともうれしい。自分の好きなものが、世のなかに埋もれずに語り継がれているのは幸せなことだ。

 わたしも、最近の10代が聴くという卒業ソングも聴いてみた。あれ? これはどこかで聴いた曲じゃないか。とても聴きやすく、メッセージのある曲だ。とすると、その時代の「10代」の感性はさほど変わっていないような気もする(もちろん無謀な一般化ではあるが)。その点だけに関しては、思ったよりも、時代の流れというのは遅いものらしい。