もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

自慢という破滅の使者

 延々続く自慢話にほとほとうんざりしてしまい、そのまま家に帰ってきた。自慢話が嫌われる理由はいろいろあると思うのだが、その一つは相手に敬意を払っていないことだ。ハッキリ言えば、「俺は知っている。けどお前は知らないでしょ。だから俺が上」という心の声が伝わってくる。これは競争的関係に置かれがちな、男性に多いのではないだろうか。結局は自分が気持ちよくなりたいだけなのだ。

 気持ちよくなるのを阻止するには「僕も知っているよ」と言って優越感を一度挫いてやればいいのだけど、そうするとウンチク合戦になって非常に面倒くさい。だいたい、「自分だけが知っていて、かつ他人が知らないこと」があれば、「他人だけが知っていて、かつ自分が知らないこと」もあるのだから、噛み付き合ったってどうしようもない。けれども、あちらはわたしを踏み台にして勝手に気持ちよくなろうとしている。

 せめてもの抵抗として、わたしは、わたしたちは、壊滅的な雰囲気を醸し出す。「おまえが白けさせたんだぞ」ということを暗に、いや、普通の人であれば「やっちまった」と気がつくほどにはっきりと伝える。

 だがここで困るのは、こういう人が善意で動いているらしいことだ。女の子に「聖徳太子って知ってる?」などとまったく脈絡のない問題を吹っかけておいて、「教えてやった」と満足していたりする。その満足ゆえに、そのあとの破滅的な雰囲気に気がつかない。気づいていれば二度と自慢などしないだろう。恐るべき鈍感力。力は力でも、それは、自らが嫌悪の対象になることをもいとわず(というか認識すらしていない)、周囲の人間もろとも場を破滅へ導く力であった……わたしたちは、破滅へと誘われていたのだ……。

 ここまで、遠慮なくいまの不満を書いてすっきりした。後日読み直して考えが変わるかもしれない。