もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

言ってみたいセリフ1

 子どもじみた遊びが好きだ。最近は「おぬしも悪よのう」と言ってみたいが、いいシチュエーションがなかなかない。共犯関係でないといけないのだ。

 なんなら悪代官ごっこでもいい。まず商人が「お代官様、これはほんの手土産でございます」と箱を渡す。「ほう……これはうまそうな饅頭じゃ」。その底板を外すと、大量の小判(ずらりと並ぶ五十両包金)を確認し、ニヤリ。商人のほうをチラリと見る。商人、目を細めて「これで、よしなに」。「ぐふふ、おぬしも悪よのう」。

 これはやりたい。なんなら、商人(豪商)もやりたい。

 あと、「者ども、出合え~!」も言ってみたい。これは本物(時代劇)とは違って、言い訳が立たなくなったときに使いたい。例えば、他人のプリンを食べたのがバレて問い詰められたときに「えええぇい!! 者ども、出合え~!!」とか言って人がワーッと出てきたら最高である。ついでに「こやつは不届き者である、斬れいッ!(逆ギレ)」と叫びたい。

 一方で、「あ~れ~」とか「よいではないか、よいではないか」とかいうセクハラ系はやりたくない。やってる方が恥ずかしくなるに違いない。それに多分、「あ~れ~」に関しては女性側の協力も不可欠だろう。むしろ女性側が「仕方ないなあ」と同意してくれて初めて可能になる。帯の結び方から、実際に帯を回すところまで。男性が帯を回しているのではなく、女性に帯を回させて頂いている状態、完全に権力関係が逆転している。

 面白いことに、正義側よりは悪代官のほうが身近さを感じるかもしれない。正義側は、「こらしめてやりなさい」とか、「成敗!」とか、これは実際に相当な権力、力が無いと言えない。悪代官のセリフは、権力が無くとも欲望があれば言えるし、どうせやられてしまうので奇妙なほどに身近な響きがする。