もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

失敗

 何かに失敗すると、風呂場でシャワーを浴びながらそのことを思い返す。とたんに恥ずかしくなって、思わず「わああ」とか「そうですよねえ」とか「しかしですねえ」などと意味不明な独り言が口から溢れ出す。それからとっさに思いついた意味不明な歌を歌う。わたしはピアノ曲が好きなので、ピアノを念頭に置いて「たんったたーん♪」という感じで歌う。風呂場では完全に一人だし、シャワーがいい感じにこの奇行をごまかしてくれる。

 例えば先日、誰かの名前を間違えてしまったことがあった。それも勘違いでは許されないレベル。訂正しようのないほど盛大に、堂々と間違えてしまった。わたしはそれを言った0.5秒後に「あっしまった」と思ったけれど、相手が訂正せずに返事してくれてしまったので、訂正するタイミングを逸してしまった。ああ、訂正してくれたら謝れたのに、と自分本位な恨み言を内心で呟く。帰宅してから、謝るべきことなのだからタイミングなど考えずに謝るべきだったのになぁ、と後悔した。(ちなみに、名前とイメージの結びつきが定着していないときに、用心を怠ってしまったのが敗因だ!)

 それで、帰ってきて風呂に入ったときにそのことをよくよく思い出した。全身を洗いながら、シャワーの音に埋もれるように「そうですよね、そうですよね……」と一人でつぶやいた。その場に丸まって転げまわりたくなったので、いつものように鼻歌を歌い出した。

 これがせめてかわいい女子の話ならばかわいい話になるのだけど、実際にはどこにでもいる小僧の話にすぎないので誰かに話す機会も無く、隠すつもりはないけれど誰にも知られない一面になってしまっている。

 なので、この日記に書きとめてみた次第だけどもどうしようもない。