もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

アニメ「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい」

 今期見たアニメには入っていないけど、「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい」というアニメがやっていた。

 頭のなかが疑問符でいっぱいになった。ということで以下若干の変態的感想をメモ。

 けしからんというのはあまりにも当たり前の話なのでさておくとしましょう。

 私がまず思ったのは、「嫌な顔されながらおパンツを見せてもらう」というのはどういう関係だろうか、と言うことでした。嫌な顔をされつつもおパンツを見せてもらえる関係性。これはなんだろうかと。普通ならば、「嫌な顔をされた挙句おパンツを見せてもらえない」という最悪のシナリオに転ぶはず。にも関わらずおパンツを見せてもらっている。ここで、「実はこれはすべて金銭的な対価としてのサービス、こういう”プレイ”なのだ」という説明は好みません。嫌な顔されながら見せてもらう意義が台無しです。

 まず考えられるのは、なんらかの強制力が働いているということ。パンツを見せないと殺されるだとか、日常生活が過ごせなくなるというような場合には、パンツを見せざるを得ないかもしれません。ですが、本作で言う「嫌な顔」とは、恐怖や怯えというようなものではありません。女の子は相手に対する軽蔑や侮蔑、不快感を前面を示しています。いわば強制に対する反抗的な態度。主人公は強制力を持ちつつも女の子の反抗的な態度を許す、あるいは、強制的に自分を軽蔑・侮蔑させ、パンツを見せるよう命じる、これでは意味が分かりませんね。

 やはり、主人公と女の子のあいだにはなんらかの信頼関係にあると考えざるを得ません。そしてその裏切りによって「嫌な顔」が表れることは分かるのですが、この主人公はしかも「パンツを見せて」もらっている。このことは、むしろ普通にパンツを見せてもらうよりもすごいことだと思うのです。嫌がり嫌悪しつつもなおパンツを見せようと思える、それだけの相手。この二人はどういう関係にあるのでしょうか。さらに言えば、これを演じていらっしゃる方はこの女の子のそんな心理をどのように解釈して演じておられるのか(中の人など居ませんよ?)。

 そこで私が思ったのは、これは日常と非日常を上手く織り交ぜたファンタジーなのだと。そこで描かれているのは、まずもって女の子のパンツが見たいという男性にありがちな欲求。そして、女の子との日常的な関係が、「パンツを見せてほしい」という一言によって崩壊する非日常。そして侮蔑。これらをまるごと楽しもうというのがこのアニメの趣旨なのかなと思いました。つまりただ単にパンツを見たいという性的な欲求だけではなくて、侮蔑されたいという嗜虐趣味、そして日常的な関係性が崩壊することで快感を得るというある種の破滅願望が表れていると思うのです。

 私自身は、見ていてニヤリとしてしまいました。前半ではとてもかわいい笑顔で、主人公に対して好意さえ抱いているように見えていた女の子が、「パンツを見せて」という俗物的な要求を受けて一瞬で豹変する。この描き分けにものすごいこだわりを感じました。この手のひら返しぶりは喜劇を思わせます。例えば、「相手がお金持ち」と分かったとたんに態度をコロッと変える人のよう。その逆パターンですね。笑いから見ると、これは破滅というよりも、物語の前提をひっくりかえすちゃぶ台返しのようなもので、そこに面白さが生まれるのではないかと。とはいえこのアニメを笑いながら見る人っているんでしょうか……。