もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

懸垂

 腕立て伏せはつまらないが、懸垂は楽しい、というのが、痩せ男の戯言である。

 理由は明白で、腕立て伏せは怠けるのが簡単だからである。わたしが腕立て伏せをすると、怠惰がすぐそばで待っている。そして、腕が悲鳴を上げれば、すぐにひざをつけばよいではないかと言う。30回もやったのだ、地面に伏せばよいではないかと言う。そんなことを繰り返しているうちに、やめてしまえばよいではないかとなる。

 ところが懸垂はそうではない。怠ければ体が上がらない。上がらないから意気込んでやる。たった一度でも上がると、僕のか細い腕も捨てたものではないなという気になる。それで調子に乗って二度三度とやる。そうするとけっこう腕に負担が来る。それがまた、自分がやったという気がして良い。腕立て伏せでは、その負担に至ることすらなく、登り始めた途端に怠惰の道へ転がり落ちてしまうのだ。

 なにをバカなことを言うかと思われるかもしれないが、たしかにバカに違いない。こんな屁理屈ばかりこねまわしているから、いつまで経っても痩せ男なのだ。

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