もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

美の間欠

鶏鳴が暁を告げると、965階の一室へと入り込む――


類いまれな美貌を持つ男はベッドを振り返る。

「疲れただろう、コーヒーでも入れるよ」

類いまれな美貌を持つ女は言う。

「ええ」

幸せに満たされた男は、コーヒーを入れ始めた。

彼女のために、たっぷりと愛を込めて。

おたまいっぱいの、インスタントコーヒーの粉を。