もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

読書

「刑吏の社会史」「当世書生気質」「子どもの貧困II」

07/07 : 阿部謹也「刑吏の社会史」◆共同体の傷を修復するための儀式としての「処刑」をおこなう「刑吏」が、長い時間をへて、共同体から排除(市民権を認めない)されるほどに忌避されるようになったのはなぜか。つまり、神の使途として現れた刑吏が、どのよ…

「茗荷谷の猫」 『ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記』 「活字のサーカス」

05/29 : 木内昇 「茗荷谷の猫」 ――緒方の言う通りにしてみようか。分枝は、そう思った。また、内側に立ってみるのだ。「物語」には別段、嘘偽りはないのだから。信じられないけれど、現実にそれは起こったのだ (本書より「茗荷谷の猫」, p. 93)。◆短編集なの…

「スターバックス再生物語」 メモ

05/19:ハワード・シュルツ「スターバックス再生物語 つながりを育む経営」◆スターバックスの実質的な(実際には違うけれども)創業者といってもよい著者が語るスターバックスの歴史。経済危機、営利主義によって、スターバックスの本質が失われようとして…

「いやいやながら医者にされ」「日本最初の珈琲店」 「論文の書き方」

05/16:モリエール「いやいやながら医者にされ」レアンドル [...] 実は、さっき手紙を受け取ったんですが、それによると、伯父さんが死んで、ぼくはその財産をそっくり相続することになりました。ジェロント あなたはほんとに立派なかただ。娘は喜んであなた…

「知の広場」「かくれんぼ・毒の園」「15分あれば喫茶店に入りなさい。」

04/21 : アンニョリ「知の広場」◆勉強をする人たちのお堅い場所だと思われがちな図書館。それをすべての人びとに開放し、居心地の良い場所にしようという著者の試み。図書館の文化的な価値を見つめ直し、図書館の未来を切り開くための具体的な設計をしっかり…

「牝猫」「内向型人間の時代」

03月31日:コレット「牝猫」 もう彼女は計画を立てている、もう陰謀の意図をはりめぐらせ、架け橋をつくっている、もうなにかをひろいあげ、つくろって、仕立てなおそうとしてるんだ……まったくたまったもんじゃない。母さんは彼女のこういうところを高く買っ…

「白熱講義!日本国憲法改正」「キャリア官僚の仕事力」「孤独な娘」

03月26日:小林節「白熱講義!日本国憲法改正」 したがって、私たち国民は、国家(権力者)が国民のためにきちんとサービスを提供し、権力を笠に暴走していないか、常に国家を管理する必要がある。それができるのは唯一「主権者・国民」だけである。そして国…

「知的生産の技術」「税金 常識のウソ」「コーヒー・ハウス」

03月22日:梅棹忠夫「知的生産の技術」 知的生産のための空間の機能を分化させるということは、つまり、知的生産の作業のなかに、いくつかのちがった系列のものが存在することを確認する、ということなのである。うっかりすると、事務的な処理に時間とエネル…

「ネットのバカ」

ネットがあるから多様な意見を知ることになった、という主張は嘘である。特に、自らフォローしたい相手を選べるツイッターは、心地よい情報だけを入れることが可能になった。だからそうして、彼らは、マスコミの偏向報道の歴史や、在日韓国人にまつわる噂や…

「縛り首の丘」

リスボンの人々は、ためらいもなく直ちに私の足元にひれ伏した。マルケス夫人は泣きながら私を「わが心の子」と呼ぶのだった。新聞は伝統的には神に属するはずの形容詞をいろいろと私の名前の前につけるのだった。かくして私は「全能」になったり「全知」に…

「夜と霧 (新版)」

つまり人間はひとりひとり、このような状況にあってもなお、収容所に入れられた自分がどのような精神的存在になるかについて、なんらかの決断を下せるのだ。典型的な「被収容者」になるか、あるいは収容所にいてもなお人間として踏みとどまり、おのれの尊厳…

ブクログ日記「フランツ・リスト」

http://booklog.jp/users/sittaka9s?display=front&category_id=0&status=2&rank=0&sort=sort_desc最近、読み物がころころ変わっています。読書ペースが遅すぎて泣けてきますが、「リスト生涯編」を読んでいます。リストに関する日本語の本はなかなか無いよ…