もの知らず日記

積み重なる駄文、天にブーメラン

転んだおじさん

 朝の満員電車。閉まりかけたドアに駆け込もうとして、ホーム上で転んだおじさんが居た。ふつうなら周りの人の目もひややかなものになるところだけど、あまりにも派手な転び方だったので、周りの人たちも「大丈夫だろうか」と温かな雰囲気でおじさんを見守っていた。おじさんは、生まれたての子馬のような足取りでなんとか立ち上がると、ふと虚空を見上げて「邪魔なんだよォ!」と叫びを挙げた。その叫びを無視するかのようにドアは閉まり、電車はおじさんを乗せて消えていった。